生活習慣病
生活習慣病について
生活習慣病には、糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などがあります。長年にわたって不摂生な生活習慣(不規則で偏食・過食な食生活、肥満、運動不足、喫煙・多量の飲酒、ストレスなど)を続けている人が増えており、これに伴って生活習慣病の方が増加の一途をたどっています。
生活習慣病は、一つ一つは軽症であっても、幾つもの疾患が重なることにより、身体の状態がひどくなったり、動脈硬化を進行させたりします。その結果、日本人の死因の上位を占めている心疾患や脳血管障害の危険性が高まります。そのような事態を招かないよう、たとえ自覚症状が無くても、早めに生活習慣の改善に取り組むようにしましょう。
主な生活習慣病
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 高尿酸血症 など
糖尿病
糖尿病は、何らかの要因によってインスリンが働かなくなる、もしくは作用が弱くなることで血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むことが出来なくなり、血糖値が高い状態が続いてしまう病気です。日本糖尿病学会の診断基準では、空腹時血糖値が126㎎/dl以上を「糖尿病型」、110~125㎎/dlの場合を「境界型」、110㎎/dl以下を「正常型」と定義しており、「糖尿病型」と2回確認されるなどの一定の条件を満たした場合に糖尿病と診断されます。血糖値が長期にわたって高値になり続けると、微小血管から障害が起こり網膜や腎臓、末梢神経に合併症を起こしやすくなります。糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害は糖尿病三大合併症と呼ばれ、失明の危険や血液透析を要する状態になることがあります。また、動脈硬化による心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の原因となるケースも見られます。
このように重篤な合併症を引き起こす糖尿病ですが、普段から血糖値を正常に保ち、食事療法や運動療法、薬物療法などを続けることによって失明や血液透析のリスクを減らすことは十分に可能です。健康診断などで血糖値の異常などを指摘された方は、病状が悪化する前に医療機関を受診するようお勧めいたします。
高血圧
収縮期血圧(最高血圧:心臓が収縮して血液を送り出す際の血圧)が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧(最低血圧:心臓が拡張して血液を心臓に取り込んでいる状態の血圧)が90mmHg以上となっている場合を高血圧と言います。
慢性的に血圧の高い状態となっても症状が出ないこともありますが、放置すると血管の壁にかかる負担が強くなり、動脈硬化を起こします。動脈硬化が進行すると心疾患や脳血管障害といった様々な重篤な病気を併発するため、それらを予防するための治療が必要となります。
脂質異常症
血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪の濃度が慢性的に高い状態、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態です。血中のLDLコレステロール値が140㎎/dl以上、HDLコレステロール値が40㎎/dl未満、中性脂肪が150㎎/dl以上である場合、脂質異常症の診断になります。これらを放置すると高血圧と同様に動脈硬化が進行し重篤な病気を併発するため、やはり予防するための治療が必要です。また、LDLコレステロール値が120~139㎎/dlの場合を「境界域高コレステロール血症」と呼び、その他の生活習慣病(糖尿病など)の罹患状況を見極めて治療の必要性を判断します。